仕事始めと振袖

新年があけて、今年は昨日の4日が仕事始め。ひと昔前は、振袖で仕事始めに行く姿をよく目にしたものですが、札幌という街のせいなのか、テレビをあまり見ないので目にすることがないのか、最近ではあまり見かけなくなりました。

 

今から20年も前の話です。結婚前のわずか6年の会社勤めでしたが、その頃は私も毎年、仕事始めは振袖を着ていました。というか、着ることが仕事でした。勤務先の受付業務を担当していましたので、仕事はじめは1年間で一番の大きな行事。それを振袖で一日通すわけですから、振袖と仕事始めの思い出は深いです。

 

当時の勤務先は毎年1000件以上の会社の方がおみえなっていました。なので、日ごろの業務をしながら、年末もほぼ休みなく仕事始めの準備を全力でやっていたものです。

南天年末の仕事納めのあと、応接室、ロビーの清掃を終えると、受付カウンター横にお正月に見合った大きな花卉にお花をを汗だくになっていけます。応接室には、あらかじめアポイントをいただいているお客様のためのお屠蘇を準備。社のトップとお迎えするお年賀台には、金箔の名刺盆を設置。当時はお年賀をお持ちくださる方も多いので、それをストックするお部屋の準備。

 

一年のうちでの一番の大きな行事でしたので、上司から体力維持に鰻の差し入れをいただいたりなんてこともよくありました。

 

仕事始めの当日は早朝から美容室で着付け。振り袖姿になるものの、実際は体力勝負の一日です。ずっと立ちっぱなしですし、お客様のご案内やお茶出しなどの通常業務もあります。襷こそかけていませんでしたが、クールに振袖を着こなしながらも、マラソンのような耐久力で駆けまわりました。

振袖一番早い来客は、もう7時前から正門前の警備のところでお待ちになります。面白いことに、毎年どちらの会社の方が1番におみえになるのか、話題にもなります。お客様もそれをご存知のようで(いまはどうかわかりませんが)年々時間が早くなる傾向にありました。

 

仕事始めの一日終わると、今度は次の日からの通常業務へむけての片付け、と1000件のお客様の日報の仕上げです。

 

だから今でも、仕事始めときくと、なんだか気持ちに気合が入り、職場の後輩たちの奮闘に差し入れでもしないと、という衝動にかられます。

 

タイトルの振袖と仕事初めの話ですが、私の場合は親に成人式のお祝いで買ってもらった振袖は、自分の結婚式でも着ましたし、おかげさまで十分に着ることができました。「お金かかるし要らないよ~お祝いにお金がほしい」となんて、言わなくてよかったな、と思っています。我が家には娘はいないので、振袖を買ってあげることはありませんけれど。

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遠藤美華(えんどうみか) ブログを書いてライターになった経緯から、ライティングやWEB集客で学んできた経験値をもとに、40代からのアラフィフ世代の女性へむけて情報発信をしています。 取材に基づく文章作成が得意なライター。WEBサイトに載せる経営者や個人事業主のビジネスプロフィール文や代表者挨拶文の作成代行、インタビュー記事やオウンドメディアでの執筆など。ブックライティングもボチボチお手伝いをはじめました。