なぜ「すごい経歴」をプロフィールに書いても、仕事の依頼が来ないのか 〜お客様が本当に知りたいのは、あなたの歴史ではなく「提供価値」です〜

「〇〇大学卒業後、株式会社〇〇に入社し…」

あなたのプロフィールの書き出し、こんな風に始まっていませんか?

たとえあなたのこれまでの人生が、誰もが知るような華々しい経歴だったとしても、それをプロフィールに並べるだけではお客様の心には響きません。

なぜなら、お客様がプロフィールを読むとき、本当に知りたいのはあなたの歴史ではないからです。「この人は、私の悩みや願いに対して何をしてくれる専門家なのだろう?」という、問いへの答えを探しています。

先日、あるファイナンシャルプランナーの方のプロフィール作成をお手伝いするなかで、まさにこの「伝える順番」がいかに重要かを再認識する機会がありました。いくつかの職種を経て現在の仕事に就いた方で、これまでのキャリアには全くの異業種での経験も含まれます。

その方は、建築業界でのご経験や、訴訟のコンサルタントとして活動されたご経験があり、また家業を継いで会社を畳んだご経験もありました。当初ご自身では、その専門性の高さをどう伝えれば仕事に繋がるのか悩んでいらっしゃいました。

しかし、お客様が知りたいのは専門性の詳細ではなく、「自分のお金に関する問題を、この人は解決してくれるのか?」という一点です。

自分の経験を時系列で語るだけでは、その価値は伝わりません。「私はお客様に〇〇を提供できる専門家です」という提供価値(コンセプト)を、まず定義することが重要です。

コンセプトが決まれば、経歴の役割は変わります。自分史を語るためのものではなく、コンセプトに説得力を持たせるための「証拠(エピソード)」となるのです。

例えば、法人や経営者層に向けては、建築訴訟に関わった経験は、複雑なトラブルにも対応できる問題解決能力の裏付けになります。経営者が直面しうるシビアな金銭問題にも対応できる専門家であることの証明になるわけです。

一方で、個人のお客様(特に家庭を持つ層)に向けては、家業を継ぎ、長年支えてくれた従業員たちの生活も考えながら事業を畳んだ経験は、家族に寄り添い、保険や相続といった人生の節目をサポートする誠実さの裏付けになります 。

このように、同じ経歴でも法人か個人かによって切り口を変え、相手が求める価値に合致するエピソードとして語り直すことが、「私に何をしてくれる人か」という問いへの具体的な答えになるのです。

専門性や提供価値を伝えた上で、最後の決め手となるのが「この人なら信頼できるか」という点です。

その裏付けとして、学生時代に打ち込んできたスポーツの話や、仕事を選ぶ際の姿勢といったエピソードが活きてきます 8。これらは仕事のスキルとは直接関係ありませんが、「誠実そう」「見栄を張らなそう」といった人柄を伝え、お客様が「この人になら何でも話せそうだ」と感じるための重要な要素となります。

ビジネスプロフィールは、自分史を公開する場所ではありません。お客様が抱えるであろう問い「あなたは、私に何をしてくれますか?」に、正面から答えるためのプレゼンテーションです。

1.まず、あなたがお客様に提供できる価値(コンセプト)を一言で定義する。

2.次に、その価値を証明するためのエピソードとして、ご自身の経歴を語る。

3.最後に、あなたという人間の魅力が伝わる側面を添えて、安心感を持ってもらう。

この順番を意識するだけで、あなたのプロフィールは「読まれるだけ」のものから、「仕事につながる」ものへと変わっていきます。

お客様からご依頼いただけるプロフィールの作成は、ヒアリングから行います。たくさんの経歴の中から何を書いたらいいか、一緒に探っていきましょう。

ビジネスプロフィール作成のご依頼は、こちらからお申し込みください。


よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

遠藤美華(えんどうみか)

ブログを書いてライターになった経緯から、ライティングやWEB集客で学んできた経験値をもとに、40代からのアラフィフ世代の女性へむけて情報発信をしています。

取材に基づく文章作成が得意なライター。WEBサイトに載せる経営者や個人事業主のビジネスプロフィール文や代表者挨拶文の作成代行、インタビュー記事やオウンドメディアでの執筆など。ブックライティングもボチボチお手伝いをはじめました。

目次