子母沢寛の生き様に魅了されました。

ライターの遠藤美華です。

土曜日の午後、中島公園の北海道立文学館へ初めて行ってきました。

目的は、今月24日(日)まで開催している特別展『没後50年 子母沢寛(しもざわかん) 無頼三代 蝦夷の夢(ぶらいさんだいえぞのゆめ)』

作家・子母沢寛(しもざわかん1892年〜1968年)は、映画に何度もなっている「座頭市」や幕末小説の「勝海舟」の原作者である、といえばおわかりいただける方も多いと思います。

出身の厚田村(現在の石狩市厚田区)は車で札幌中心部から1時間ほど。石狩川を渡り海岸線を北上し、現在ではソメイヨシノの北限とも言われます。

 

展示されているパネルや写真のキャプション、出版書籍をはじめ、新聞掲載された小説、インタビュー記事などもじっくり閲覧しました。展示物に垣間見える子母沢寛のユーモラスで豊かな感性に、どんどん惹き付けられて、滞在時間が2時間もたっていたのに全く気がつきませんでした。

 

祖父は幕末の彰義隊の一員。箱館戦争で新政府軍に敗れ捕虜となり、その後札幌から厚田へとたどり着いた人。祖父への尊敬と畏敬の念が、彼の創作活動の根幹にはあったようです。上京して明治大学を卒業後は、新聞記者と作家の二足のわらじで活動をします。取材をして小説を執筆するスタイルは、当時ではかなり斬新な創作スタイルだったようです。

 

聞いて素材を集めて執筆を進める方法は、今の私が一番好きなライティングスタイルですので、ぐっと惹きつけられました。

 

展示のなかほどに、当時まだ駆け出しだったの司馬遼太郎と先輩作家の子母沢寛が対談している写真と記事がありました。司馬遼太郎は、子母沢寛の当時の新刊を読んだその時の感動を語っています。日本の文豪が語り合っているのを写真で見るだけでも、そのつながりにワクワクを感じるのは私だけではないと思います。

 

動物好きな子母沢寛は、あの当時に自宅で猿を3代にわたって飼っていたそう。犬も多い時は17頭もいたとされています。今回の展示のフライヤーに掲載の、可愛がっている猿が子母沢寛に肩車されている写真は本当に印象的です。猿との生活を書いた本に「愛猿記」があります。

また、両親と縁の薄かった子母沢寛は、祖父母に育てられたこともあり、自分の家族はとにかく大切にしているのがわかりました。愛妻家でもあったようです。晩年奥様と一緒に過ごされている様子を書いたエッセイを読んでいると、心がじわっと温まりました。

人間らしいっていい。

 

特別展『没後50年 子母沢寛(しもざわかん) 無頼三代 蝦夷の夢』は、2018年6月24日(日)まで、北海道立文学館 特別展示室で開催されています。

 

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遠藤 美華

ライターの遠藤美華です。 取材に基づく文章作成を得意としています。インタビュー記事、プロフィール記事、WEBページのテキスト記事、執筆協力、SNS代行記事作成、など文章全般に渡るご依頼を承ります。