ソニーの元会長で、現在はクオンタムリープ株式会社代表取締役ファウンダー&CEOの出井伸之さんの著書「変わり続ける〜人生のリポジショニング戦略(ダイヤモンド社)」を読んでの読後感想を書いていく。
45歳は「人生の黄金期」
ソニーの元会長で、現在はクオンタムリープ株式会社代表取締役ファウンダー&CEOの出井伸之さんの著書「変わり続ける〜人生のリポジショニング戦略(ダイヤモンド社)」
「45歳は人生の黄金期」とし、クリエイティブマインド(才能)と分別心(経験)のバランスが最もよく、自分の力を最大限に発揮できる時期だという。この時期に「リポジション」をすることが生涯現役でいるためには重要である、と続いて書いている。
確かに、私もライターとしてスタートしたのも40代を過ぎてから。専業主婦からのリポジショニングだった。まだ小学生の子の子育て中でもあったが、「今スタートしないと」と思ったからだった。
ちょうどその頃、高校や大学時代の同期に会うと、ビジネスにおいて最前線で活躍する友人が多いとも思ってもいた。恩師の言う「生涯青春」だけれど、40代の私たちには、今が黄金期と自覚するのも大切なことだと感じた。
生涯現役でいるために大切なこと
第3章までは、著者がソニーに就職してからの失敗や挫折からリポジショニングを続け、社長に任されるまでの経験を書いている。
ソニーの社長までのぼり詰めた人なんだから、さぞかし順風満帆なんだろうな、と思っていたけれど、読みすすめていると、どうやらそうでもないらしかった(笑)非常に個性的だ。
私は会社員として彼が過ごしてきた長い年月に興味がわいた。サラリーマンでもここまで意識を持ったら、大変だけどやりがいがあるだろうな、と。

3章以降は、人付き合いが苦手だった筆者がどうして大きな組織でやっていけたのか、社長にまで上り詰められたホシがたくさん書かれている。さらに実際にビジネスシーンに役立ててほしいことを、著者自身の経験はぜひ心していきたいことばかりだ。
本の締めくくりには、
・あなたの中には、まだ多くの才能が眠っている。その才能を目覚めさせるには、新しい環境に身を置くことが重要だ。
・もっと「自分を超える」ことを意識してみよう。
・人生を楽しく充実したものにできるかどうかは、ちょっとした心の持ちようなのである
と、読者を励まし、リポジションを成功させる「生き方の4つの法則」でまとめ、未来へのメッセージも具体的。いまからしっかりと読み込んでおきたい。
男女問わず40代の起業家、サラリーマン、サラリーマンの夫を持つ私のような女性の方にもぜひ読んで欲しい一冊だ。
編集協力はブックライターの上阪徹さん。